デザイナーとMicie.の対談レポート他、スペシャルコンテンツを掲載。
ANNA MAIER
ブランドストーリー

チャールズ・バンスタイン氏に聞く
リミテッド社CEOレスリー・ウェクスナー氏のところでビジネスを始めました。
interviewer:ファッションビジネスの世界にいらっしゃったとうかがいましたが、ブランドのことやこれまでの道のりをお聞かせいただけますか?
Charles:※(1)リミテッド社CEOレスリー・ウェクスナー氏のところで働き始め、28歳の時にはラルフ・ローレンと仕事をするチャンスがあり、彼らととても良い関係を築きました。そのほかに、サックス・フィフス・アベニュー、バーニーズ・ニューヨークとも仕事をしていました。その後、ジル・サンダー氏に出会い、彼のデザイナーオフィスで働き始め、パターン、カッティング、縫製までの製造工程など、デザイナーとして必要なことの多くを学びました。世界中の素晴らしいデザイナー達と仕事をする機会も増え、それらの経験が、今の自分自身の世界を築きあげるベースを作ったと言えるでしょう。私は本当に幸運だったと思います。

“このドレスを着る、一人のためだけにドレスを作りたい”
interviewer:ご自身でブランドを立ち上げようと思われたきっかけはなんですか?
Charles:実は祖母がオートクチュールドレスデザイナーで、小さいころから洋服に囲まれた環境で育ちました。20代のファッション業界の経験を経て、自分自身で認識したのが、 “このドレスを着る、一人のためだけにドレスを作りたい”という思いです。 すごくシンプルなことですが、一番大切で大変なことでもあります。
interviewer:そのほかに大切にされていることはありますか?
Charles:素材を大切にしています。

MAKI:アンナマイヤーのシルクサテンとレースは今まで見たことがない美しさで、アトリエに初めて訪れた際、とても感動したことを覚えています。
Charles:ANNA MAIERのドレスは全て、エルメスやバレンティノなど、世界中のオートクチュールデザイナーが使う※(2)comoの最高級生地メーカーから仕入れています。 肉厚で非常に柔らかいシルクサテンと繊細なフレンチレースの上質さに魅了され、 この生地との出会いが、私たちの新たなデザインの可能性を広げました。 有名ドレスブランドは、縫製やパターンの製造過程を外国に外注していますが、ANNA MAIERはどの製造段階も全てこのNewYork マンハッタンのアトリエで行なっています。
interviewer:それがアメリカ最後のオートクチュールブランドと言われる所なのですね。
妥協のないドレス作り
Charles:妥協のないドレス作り、それがクチュールの良さなんです。規模を大きくしてしまうとそれは出来ない。 少人数のアトリエで丁寧に一枚一枚ドレスを作りあげていく、それが私のやりたかったことです。
MAKI: アンナマイヤーのドレスはカッティングが立体的で美しく、花嫁が着た時に圧倒的な存在感を感じます。
Charles:それはすべて手作業による立体裁断をしているからです。そして自然のバイヤスの弾力性を生かし、生地の重量を計算し豪華で滑らかなドレープが出るようにしています。ドレスラインについては、納得がいくまで何度でも作り直します。
MAKI:丁寧につくられているのは一目でわかりました。New York のアトリエを見せていただき、働いている方達すべてがブランドを大切にしているのが、とても良く伝わってきました。
Charles:はい、スタッフみんながお互いを信頼し、ANNA MAIERというブランドに誇りをもっています。また、磨妃さんのように、私たちの作品の価値を理解し愛してくれる人がいるということも、とても大切です。
MAKI:私達も同じです。ミーチェというブランドに誇りを持ち、信頼できる仲間と小さいブティックだからこそできることを大切にしています。 そしてミーチェの世界観を愛してくれる花嫁がいることにとても幸せを感じます。
interviewer:最後になりますが、ミーチェの磨妃さんの印象を教えていただけますか?
Charles:僕は世界中の方々と仕事をして来ました。磨妃さんのなさっているキュレーターという仕事に大事な要素、能力が3つあると思います。まずは、ビジネスサイドの面をよく分かっていること、そして花嫁が求めているドレスを理解していること、最後に良いセンスがあることです。この3つが揃う磨妃さんはとてもレアで素晴らしい人です。ですから、日本の唯一のパートナーにミーチェを選びました。
MAKI:嬉しいです。これからもまた素晴らしい作品を生み出してください。楽しみにしています。
※(1)リミテッド社 ヴィクトリア・シークレット、へンリ・ベンデルなどを傘下におく企業グループ
※(2)Como イタリアのファブリック産業の中心地